TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる
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(著) ズンク・アーレンス (翻訳) 二木夢子
ISBN:B09HZ38SFZ
★一日3枚のメモで十分!★
★メモはとればとるほど財産になる★
★世界トップクラスの学者、ビジネスパーソン、クリエイター、作家が使っているメモ術を知る★
58冊の本と、数百本の論文という、大量の執筆をしたニクラス・ルーマンという社会学者がいます。彼の著作のクオリティはずばぬけていて、専門分野以外でも古典的名著になっています。
どうしてそんなことができたのか? 
その答えは、彼が編み出したツェッテルカステンというメモ術にあります。
ツェッテルカステンのすばらしいところは、自分オリジナルの考えが自然とたまっていくところ。「自分の言葉でメモをとる」など、いくつかのコツがありますが、そのおかげで、メモが独自の理論になっていくのです。それらは「ちょっとしたひらめき」などではなく、大きなアイデアになるので、本数冊分なども書こうと思えばラクラク書けるほどになります。
しかも、アイデアだけではなく裏づけとなるデータも、メモの中にきちんとおさまっているので、アウトプットをするときに面倒なことも少なくなります。
何か新しいアイデアを思いつきたいとき、ブレインストーミングをしたり、うんうんうなったりする必要はもうありません。メモを見ればいいだけです。
真にクリエイティブになる方法をぜひ試してください!
Kindleの電子書籍で読んだ。
読書記録
2025/6/6読了
✏ なぜこの本を読むのか?
知識をつなげるためにメモツールCosense(旧:Scrapbox)を活用したい。
読書や勉強をしてもやりっぱなしで、自分の身になっているか、知識やアイデアを資産として貯めて、自分の生活やキャリアに活かしたい。ブログのネタやキャリアアップなど
洞察は簡単には生まれない。メモは意見を主張するためだけでなく、共有する価値のある洞察を得るためのツールである
メモで重要なのは、思考を集めるだけではなく、互いに結びつけて、新しいアイデアを思いつくきっかけにすることです。
ツェッテルカステン」[ドイツ語でツェッテルはカードや紙、カステンは箱の意。世界中でよく知られている情報収集メモの取り方の方法] というシンプルなテクニック
フォルダーごとにしてしまうと、その時点でトピックの順序が決まってしまうのに対し、ツェッテルカステンではリンクを貼ってメモを自由に置くことで、あらゆるテーマを発展させることができます。
✏ メモ同士をリンクし、フォルダーで管理しない。フラットにメモを置くことがCosense(旧:Scrapbox)ならできるという感じか
メモを書くのはいちばん簡単ですし、おもな仕事でもありません。おもな仕事とは、考え、読み、理解し、アイデアを思いつくことです。  メモは、これらを、形のある結果にしたものにすぎません。
何かを本当の意味で理解したいなら、自分の言葉に直さなければなりません。
② 「文献メモ」を書きます。これは、何かを読むたびにとるメモです。忘れたくないことや、自分の思考、後で文章に使いたいことなどを書き留めます。  長さはごく短く、内容は厳選し、自分の言葉で書きます。引用する場合は、特に念を入れて選びましょう。ここで大切なのは、 読んだ言葉の意味を真に理解するために、書き写すのはやめ、自分の理解で書くことです。
✏ めちゃくちゃハイライトで引用する形にしている。そりゃ自分の言葉でまとめたほうが良いかもしれないが、気になったらまた読みに帰ってくれば良いや。
本書は翻訳本であり、かなり読書筋力(読書レベル)が必要そうな本だと感じる。
何かを読み、メモをとります。ツェッテルカステンのなかでメモ同士をつなげると、それ自体が新しいアイデアの引き金になります。
多くの「ツェッテルカステンを使ってみた」という記事は、著者が作業のしかたをきちんと理解しないまま実行するので、残念な結果に終わっています。
✏ まじか。ちゃんと理解して使わないと効力出ないのかな?
ツェッテルカステンでは、その問題は「どんな文脈で、このメモをもう一度見つけたいか」に変わります。
✏ 本を読んで、本に下線や書き込み、メモを別のノートに残した場合、メモがあちこちに分散する。
→どのメモをいつ・どこで書いたかを記憶に頼って探すことになる。メモをどこに保存するかが問題となる。
ツェッテルカステンの場合、メモをどこに保存するか問題は「どんな文脈でメモをもう一度見つけたいか」に変わる。
ツェッテルカステンはすでに忘れたアイデアでもすぐ出てくるように設計されているので、思い出すためではなく、考えるために脳を使うことができます。
1 走り書きのメモは、2の永久保存版のメモを思い出すためのきっかけにすぎません。どんな方法で書いてもよく、きちんと書き直して永久保存版のメモにするか、そうでないなら1日か2日でゴミ箱に捨てます。 2  永久保存版のメモには、必要な情報が、自己完結したかたちで、いつでも理解可能な文章で書かれています。これは絶対に捨てません。永久保存版のメモは必ず同じ形式で同じ場所に保存します。文献管理システムか、ツェッテルカステンに入れるかのどちらかです。
✏ Cosenseには永久保存版メモをボコスカ突っ込んで行くイメージかな。走り書きメモは捨てていいんだね。
情報が完全な時系列順に並んでいては、生産的な意味でアイデアを発見したり、結びつけたり、並べ替えたりすることにはまったく役に立ちません。
✏ 「重要なメモ」と「重要ではないメモ」をしっかりと区別する。
時系列順に並んでいるNotionでの日記からは、確かに重要そうなメモは探し出すのが大変だ。まず何日に書いたのか思い出せないし、検索もどんなワードで検索すればヒットするのか、書いた本人も忘れているからだ。
忘却の彼方。
2番目のありがちな失敗は、特定のプロジェクトに関連するメモだけを集めるというもの
アイデアを永久に保存するための貯蔵庫がなければ、大きなアイデアを長い時間をかけて発展させることができなくなることです。卓越したアイデアには、フォルダーごとにしまうという方法は小さすぎるのです。
3番目のありがちな失敗は、すべてのメモを走り書きの臨時メモとして扱ってしまうことです。
✏ 走り書きメモも、必要な何用ならばちゃんと整理して「永久保存版のメモ」として収納しような!ってこと。
走り書きのメモは、他のことで忙しいときにアイデアをすばやくとらえるためのものです。
✏ 走り書きメモの定義はこれか。
走り書きのメモは、およそ1日以内に見直して、あとで使える適切なメモに書き直す場合に限って有用なのです。
✏ ツェッテルカステンでは、読書の場合も、下線を引いたりコメントを書き込んだりするが、これは「自分の言葉でメモした」とはならない。
下線やコメントも「走り書きメモ」の一種であり、「走り書きメモ」をもとに自分の言葉で文献管理メモや永久保存版のメインメモに昇華させる必要がありそうだ。
走り書きのメモは、アイデアの理解や把握には使えますが、文章を書くプロセスの後半では役に立ちません。本に書き込んだ下線が、主張を発展させるために必要なときに出てくることがないのと一緒です。
永久保存版のメモは、メモをとった文脈をすっかり忘れてしまっても理解できるように書かれています。
永久に保存するメモは2種類だけ。  文献管理システムに格納する文献メモと、ツェッテルカステンに格納するメインのメモです。
文献の内容を詳しく書いたメモをとる。その裏面に、この内容はこの本の〇ページ、これはこの本の△ページ、と書いて、読んだ内容を集める文献管理用のツェッテルカステンに入れるんだ」(Hagen, 1997)
✏ Cosenseで文献管理メモもやろうとするならば、ページ番号や行番号?なども一緒に取得してこないといけないかな?
Cosenseで行う場合は、文献管理メモも、永久保存版メモも同じ場所に保存されている感じだな。
紙の表面・裏面での判定はないし。
それよりも何をリンクとするか考える方が大事かな?
プロジェクトには、専用のフォルダーをつくっていい
プロジェクトのみに関連するメモは、プロジェクトを立ち上げたときにつくっておいたプロジェクトごとの専用フォルダーに、他のプロジェクト関連メモと一緒に格納しましょう。ここは、ひとつのフォルダーに入れて構いません。
✏ プロジェクト用って作っていいんだね。チームで管理したりする場合は必要かもね。個人でCosenseをモサモサ使う分には自分のプロジェクトだけでいいかもしれない。
ツェッテルカステンは、実際に読み、考え、議論し、書き、アイデアを発展させる作業によって形成され、充実していきます。 関心のある内容に集中し、知的成長を記録することで、無理にひねり出さなくても問いや主張が資料から浮かび上がるようになります。頭に浮かんだわずかなアイデアから絞り出さなくてよいので、トピックや研究上の問いを見つけることが簡単になります。
✏ 研究室でのチーム運用にも良さそう。論文とか、研究テーマに関するキーワードを集めていけば、研究室内にいろいろなアイデアを貯めておける倉庫が作れる?
今は活用されないアイデアや文献でも、未来の先生や後輩たちの中で活用する場面が来るかもしれない??
別の大学でオープンでCosenseを使っている研究室さんもあるようなので、見てみるといいかも。運用ルールとかは決めないとだめなのかな?
最初に選んだテーマがそれほど興味深いものではなかった場合には、他のテーマに移りましょう。 そうすれば、メモは次のテーマのまわりに集まるようになります。  場合によっては、最初の問いが興味を惹かなかった理由をメモに残しておき、それを公表できるほど価値のある洞察に変えられるかもしれません。
✏ 思考→メモにアウトプット→改善→保存
少しずつ改善・更新しながら、アウトプットしていく感じが大事っぽい
ツェッテルカステンのすごさは、メモの保存よりも、関連するものが何かわかること、そしてアイデアが混ぜ合わされて洞察が生まれることです。  ツェッテルカステンに入っているメモの量が多くなればなるほど、役に立つ度合いも高まっていきます。
現代の研究では、脳はつながりのある情報をもっていればもっているほど、新しい情報を古い情報に結びつけることができ、多くを覚えられることが知られています。
マルチタスクをしていた人は生産性が向上しているように感じていましたが、実際には生産性が大幅に低下していたのです(Wang and Tchernev 2012; Rosen 2008; Ophir, Nass, and Wagner 2009)。やり遂げた内容の量だけではなく質の面でも、マルチタスクをしていない群より大幅に劣る結果となりました。
✏ 脳科学の研究では、脳のしくみ自体がマルチタスクに向いていないみたい。
樺沢紫苑(かばさわ・しおん)先生も本の中でおっしゃっていたが、人間の脳のワーキングメモリは3つくらいしか無いらしい。4つ以上の指示が来ると混乱してしまう仕組みだそう。
そのため、複数のことを同時にやろうとするとワーキングメモリは溢れてしまい作業効率が悪くなるらしい。
マルチタスクでは、疲れが溜まり、複数のタスクを扱う能力も下がってしまうのです。
アウトラインの作成は、執筆の準備でもなければ、計画ですらないと理解することです。 アウトラインの作成も、独立したタスクです。  ツェッテルカステンでアウトラインをつくる場合、アイデアをいろいろと組み合わせて、興味を惹かれるつながりや比較を探しましょう。
人間は、計画を立てるのをやめた瞬間、学習しはじめます。洞察を得て、
すぐれた文章を書けるようになるには、実践あるのみです。
そのためには、文章を完成させるというゴールに必要な、特に重要で見込みのあるタスクを選び、またそれらのタスクのあいだを柔軟に行き来できるようになる必要があります。
複雑な状況における意思決定は、長い理論的分析があって生まれるのではなく、直感で行われます(Gigerenzer, 2008a, 2008b)。
ここでいう直感とは、神秘的な力ではなく、経験が積み重なった歴史です。成功または失敗に関する数多くのフィードバックループを通じた、実践が蓄積したもの
思い出すとは常に、理解すること
✏ 理解していない内容よりも、理解している内容を思い出す方が楽らしい。
「法則、理論、物語、論理、メンタルモデルなどいろいろとあるが、これらは説明を通じてつながっている」と記載があった。つなげて記憶しているみたい。
完了していないタスクは、完了するまで短期記憶を占有する傾向がある、
✏ カフェの店員さんが、「◯◯フラペチーノ、エクストラホイップ、◯◯シロップ変更」など呪文のような長い注文を覚えて対応してくれているが、商品の提供が終わった瞬間に忘れるやつ。
終わっていないタスクがあると、タスクの重要性に関わらず気が散ってしまうのだとか。
このタスクはあとで対応する」と脳が確信できるようなかたちで書き留める
✏ タスクが終わっていなくても、脳がタスクについて考えるのを辞めることができないので、メモに書き出すことで脳から追い出すことができるそう。
バレットジャーナルが流行っているが、タスクや思いついたことを書き出す方法が採用されている。あれば脳からタスクを追い出していたのか。
バレットジャーナルを始めてから「思考がクリアになった」という人の意見を結構見かける。
すべてを一気に済ませることができない以上、細かい心配を取り除く唯一の方法は、信頼に足る外部システムを構築することです。
✏ 人によってはバレットジャーナルでもいいし、ツェッテルカステンでも同じことが言えるみたい。
書く」という漠然としたタスクを、それぞれ作業がしやすくなる異なる小さなタスクに分割したあとに、 それぞれのタスクについてどう思考を巡らせたという結果も、必ずメモとして書き留めましょう。これには、あるメモを見て、さらなる問いが生まれた場合にもそれを書きます。
✏ 各タスクの思考の結果が書き留められていて、つながりが見えるようになっていれば、作業についてずっと覚えておかなくて良くなるらしい。
中断したところから戻れるらしい。
タスクの事柄だけに意識が行っていたけど、思考の流れも一緒にメモしておくのは大事そうだ。
ツェッテルカステンでは、まだ作業が残っていることをずっと覚えておかなくても、中断したところからタスクを再開できます。すべてが外部化されていることは、書いて考える方法の重要なメリットのひとつです。
意志力は性格的なものだと考えられてきました。しかしいまや、これは変わりました。現代では、意志力は筋肉みたいなものだと言われます。すばやく枯渇して、回復に時間を必要とする、脳の有限のリソース
すでにもう優れたルールがある作業環境にいる方が、私たちの注意、集中、意志にとって負担が少ないということは言い切れる
✏ 意思決定は「最もやっかいで疲れる作業」に属する。
選択が少なくて済むように「毎朝のスーツは紺かグレー」と決めているビル・ゲイツさんのような人もいる。
毎朝行う意思決定が減れば、もっと重要な意思決定のために多くのリソースを残せるそう。
走り書きのメモを書き留めるためにいつも同じノートを使い、同じ方法でテキストからおもなアイデアを抽出し、常に同じような永久保存版メモに仕上げ、同じように扱っていれば、仕事における意思決定の数をかなり削減できます。そうすれば、問題解決などのもっと有用なタスクに、脳のエネルギーをはるかに多く向けられます。
✏ バレットジャーナルからの、ツェッテルカステンはめちゃいい方法なのでは…?
アナログで実現しなくても、例えばNotionなどにとにかく走り書きのメモを貯めてみて、脳のタスクを排水しつつ、その中で永久保存版のメモをCosense(旧:Scrapbox)のようなツールに保存して・つなげる感じ?
バレットジャーナルだけを試してやっていたときは、永久保存版のメモの概念がなかったから良くも悪くも全部流れて行っていた感じがする。タスクのみならず、アイデアや思考したこともメモに残しておいてつなげられたら、今まで流れていたものが貯められて活かせるようになるかも?まなてぃ.icon
休憩をとることで、脳の情報を処理し、情報を長期記憶に移動して、新しい情報のために脳をあけることができます(Doyle and Zakrajsek, 2013* 16)。
✏ ちなみに休憩しようと思って「スマートフォン」を見るのは、脳的には全然休憩にならないらしい。
言語化の魔力で樺沢紫苑(かばさわ・しおん)先生がおっしゃっていた。スマホを見ずに「ボーッとする」時間が回復の時間になるとおっしゃっていたことを思い出した。
読んだ内容を理解し、それをツェッテルカステンのなかでかたちになっている自分の思考の、さまざまな文脈に当てはめることができれば、 他の人の発見や思考を自分自身の新たな発見や思考に変えることができます。
ツェッテルカステンとタッグを組めば、これまでは分けて考えられていた、あるいはまったく関係ないと思われていた複数の事実を、互いにつながりのある新しいアイデアに変えることができます。
✏ メモの魔力でも書かれていた具体化と抽象化を行き来することに似ている?
ルーマンはこの手順を次のように説明しています。 「私はいつも手元に紙を用意し、そこに読んだ本の何ページかのアイデアをメモする。裏面には書誌情報を書く。読み終わったら、メモをひととおり確認して、すでにツェッテルカステンに入っているメモとどう関連しうるかを考える。つまり、ツェッテルカステンとどう関連するかを常に念頭に置いて読むということだ」(Luhmann et al., 1987)
✏ 【文献メモは「元の本の意味をできるだけ忠実に」自分の言葉で書き留める】
読書メモを引用のみで終わらせず、自分の言葉に直すことが大事みたいだが、これをCosenseでやるにはどうすればいいんだろう。
おそらくKindleで、ハイライトとメモを取っている段階では、自分の考えたメモと、引用した部分がごっちゃになっている状態になると思う。
本書の場合は、紙のカードでツェッテルカステンを行うことが前提となっているので、1つのカードに「ある本の1文と、書いてあった箇所」しかメモできない想定なのかもしれない。
Cosenseやデジタルツールであれば、1つのカードにいくつも情報を書ける。
1つのカードが、1つの小さなプロジェクトみたいになるのかな?
Cosenseを使う場合、1つ1つの引用ごとに、カードを分けるのも大変な感じがする。そこはリンクで補って行くのがいいのかな?
このへんについても本書に書かれているか、他のユーザがどのようにCosenseを使っているか気になるところだと思った。
新しいテーマを探求するときに、メモは長くなる傾向がありますが、長さについては気にする必要はありません。理解を省略することはできないからです。
文献メモとは、重要な唯一のこと、つまり実際のツェッテルカステンに価値を与える永久保存版メモをつくるための手順でしかありません。
文献メモは短く、永久保存版のメモに役立つように書くもの
文献メモから永久保存版のメモを手書きする場合、必ず1カ所に集め、「著者名 発行年」でアルファベット順や五十音順に並べましょう。そうすれば、文献管理システムに入っている書誌情報と簡単に照合できます。
✏ 文献メモの場合は、Cosenseやデジタルツールであれば、1つのカードにいくつも情報を書いて良いっぽいな。
自分で取ったメモの方が永久保存版に移動できるかどうか、メモ段階ではわからないんだよな…
運用しながら考えていくものなのかな?まなてぃ.icon
残念ながら私たちの脳は、情報の取捨選択がもともとあまり得意ではありません。私たちは自説に反している、自分の考え方に異論をつきつける主張や事実を探すべき
✏ 自分の意見を裏付けるような文献しか読まないのは良くない。意図的にではないけど、反対意見のものはなかなか入れることが難しいみたい。
確証バイアスに気がつくのが難しいっぽい。
ツェッテルカステンでは、確証バイアスに対処できるふたつのポイントがあります。
第一に、書くプロセスが通常のものと違うこと。第二に、動機づけのやり方を変え、自説を裏づける事実を探すのではなく、関連情報を、その主張を問わず無差別に収集できることです。
ツェッテルカステンを使うと、何を読み、どうメモするかをいやおうなく厳選するようになります。 何をメモするかという条件はただひとつで、ツェッテルカステン内の議論に寄与するかどうかです。
✏ ツェッテルカステンで大切なことは「つながりがあるか、つながりを作れるか?」
ツェッテルカステンは、異論にきわめて寛容です。関係のあるメモが大事というだけなのです。
関連するデータを収集し、さまざまな思考をつなげて、それらがどのようにフィットするかを論じたあとに行うべき
主張を自分の言葉で書こうとすると、理解の穴が情け容赦なく突きつけられるのです。気分は悪くなりますが、この苦しみが、理解を高め、学び、先へ進むための唯一の機会です。
✏ ツェッテルカステンのカードを作るために、自分の言葉で説明しようとすると理解ができていない部分や、情けなさを感じることがあるよう。
これは自分の学びを高めるために必要なプロセス。
引用だけでなくなるべく自分の言葉も付け足して、要約しないといけないのかも。
最初は引用だけでもいいかもしれないけど、ツェッテルカステンを運用していくためには自分の言葉で書いて、向き合っていく必要がありそうだ。
小田やかた先生の本にもあったけど、本引用した部分は本の内容を思い出せればいいから、それはそれで役立ちそうだけどね。
統計によれば、大半の学生は日々、どんな方法によってもみずからをテストしようとしません。その代わりにするのは、ほとんど意味がないとされる、再読し、文に下線を引いてさらに読み返すというものです。この方法はほぼ意味がないとさまざまな研究が何度も繰り返し述べています(Karpicke, Butler, and Roediger, 2009、Brown, Roediger III, and McDaniel 2014)。しかも、意味がないと教えられても、なおこの手法を選ぶのです。
✏ 本当に時間の無駄になるのは、アイデアや考えを書き留めないことらしい。
本を読んだ内容が無駄になるからだそうだ。
ツェッテルカステンやCosenseに書き留めることを前提において、意識的に実践せざるを得ないシステムにする。
理解不足や学べていない情報をできる限り突きつけてくれることをシステム化しておくことが、時間や読書の手間を無駄にしない方法なのかもしれない。
アウトプット前提の読書にできるか?
「記憶するためにメモをとる」のではなく、 思考するためにメモをとる
事実と情報の保管は、ツェッテルカステンが引き受けてくれます。 そんなことより、思考と理解こそが自分でやらなければいけないことなので、それに集中するのが理にかなっています。
脳とツェッテルカステンには、明確な役割分担があります。
✏ ツェッテルカステンは詳細情報や参考資料などの、不変な情報を保管してくれる役割がある。
脳は、ツェッテルカステンのメモから、全体像の把握、イメージ、想像力を発揮する役割がある。
ツェッテルカステン・脳のそれぞれが得意な分野を集中して担ってくれる。
読書しながらとる文献メモは、理解しているかいないかのフィードバックを得られるので、ある意味意識的な実践です。同時に、本の主旨を自分の言葉でまとめることは、読んでいる内容を理解するための最善の方法にもなります。
既存のメモを意識して新しいメモを書くと、自分の記憶から利用できるよりも多くの情報を考慮することができます。これは非常に重要です。
人は判断をするためにわざと「忘れて」いる
✏ 忘れることも必要な脳の機能。
忘れることができないと具体化と抽象化をできなくなってしまうのかも。
ゆる言語学ラジオでも紹介されている。
https://youtu.be/Sxo5vpoJGnM?si=CFPC7cKOf8-tUThF&t=520
忘れることは有益でさえある。らしい。
忘れることができると創造的なこと・一般化ができるようになる。
カリフォルニア大学のロバート・ビョークとエリザベス・ライゴン・ビョーク夫妻は、記憶の中でも、「保存強度」と「想起強度」を区別し、特に想起強度が大切だということを提唱しています。
✏ 保存強度:記憶を持続させる能力のこと
想起強度:情報を思い出す速さのこと
つながりを考えずに何かを覚えるのは意味がないらしい。
現代の教育の状況では、ほどんどの人が採用している学習戦略をみると「保存強度」を向上させることを目標にしている。
→点で覚えようとする。詰め込み学習になり、情報を無理やり定着させようとしちゃう学習。
「想起強度」に着目すると、記憶を思い出す手がかりになる情報を意識できるようになる。
思い出すための手がかりは、単独の「手がかり」という情報ではないため、あらゆる情報がつながった状態で思いだされる。
覚えるために必要なのは「すでにある情報と結びつけること」
永久保存版のメモをツェッテルカステンに追加する
1 メモをツェッテルカステンに追加します。
デジタル式のツェッテルカステンを使っているなら、他のメモの「後ろに」メモを追加していきます。デジタルでは紙と違い、並び順を気にせずともひとつのメモから複数のメモにリンクやタグでつなげる(したがって、ひとつのメモを複数のメモの流れに含める)ことができます。
2 新しいメモに関係する別のメモへのリンクを追加するか、またはすでに入っているメモに新しいメモへのリンクを追加します。 3 新しいメモは必ず、索引から見つけられるようにします(
4 一般化されたアイデアと事実の格子をつくりあげます。
ツェッテルカステンは百科事典にすることを目的にしているわけではなく、思考のためのツールなので、完全性を追い求めなくてもかまいません。
✏ 自分の思考の役に立つように書けばいいっぽい
キーワードは「自分が取り組んでいる問題から」考える
✏ キーワードについて。Cosenseを使うにしても、リンクにするためのキーワード選びが必要だと感じる。
本書では「どのキーワードがこのメモにふさわしいか」よりも、「自分がもう一度このメモを見つけたいと思うのはどんな状況か」を考えることだとされている。
ツェッテルカステン全体を俯瞰してイメージし、ツェッテルカステンの中ですでに考えている疑問や問題のうち、新しいメモが貢献しそうなキーワードを検討するといいそう。
疑問や問題の解決のきっかけになるだけでなく、新たな問いのトリガーになるかもしれない。
キーワードは、新しく考え直してつける
✏ キーワードは、自分が常に取り組んでいるトピックや関心のあるトピックから決めるべき。キーワードをつける作業を自動化したり、機械やプログラムに任せるのはNG。
キーワードの割り当ては、お役所的な事務処理よりもずっと奥の深い仕事です。メモ自体を自分の言葉で説明したり、別のメモと関連付けしたりする場合にも発展しうる、思考プロセスにとって非常に重要な部分
デジタル版のツェッテルカステンでは、リンクの作成はこれ以上ないほどシンプル
1 まず最初は、トピックの概要を示すメインのメモへのリンク
✏ 本書での定義は、索引から直接参照されるようなメモのこと。アウトライン・目次みたいな使い方ができる。リンクは後から追加できるので一気に書き上げる必要はない。
索引の冒頭にあるリンクをこの新しいメモに変更するか、前のメモに、いまはこの新しい構成のほうが適していると思う、と記載するだけです。
✏ 自分の持つトピックとの関連やトピックの構成方法は、時間が経って変わっていくものなので、更新していけばOK
2 最も一般的なものは、メモからメモへの直接的なリンクです。これは、ふたつのメモのあいだにつながりがあることを示す以外の機能はありません。ツェッテルカステン内の位置にかかわらず、関連するふたつのメモ内の単語を直接リンクしましょう。
リンクを貼ることは、ただのメモの整理ではなく、 大事な思考の一部
✏ 頭だけで考えるのではなく、メモを使って思考しよう。メモを使えば、より系統立てた思考ができるようになる。自分のアイデアを、事実・考え抜かれたアイデア・検証可能な参考資料などとつなげることで、地に足のついた思考ができるようになる。
新しいメモにより、古いアイデアがどんどん磨かれていく
✏ ツェッテルカステンではメモを絶えず比較することになる。ひとつのメモの追加が、古いアイデアの修正・補足・向上につながることが多いと筆者は述べている。
デジタルを使えば、メモの長さに関する物理的制約はなくなりますが、個人的にはデジタルのメモもスペースが限られているように扱うことを強くおすすめします。
すべて同じ形式に制限しているので、メモ1枚あたりひとつのアイデアを、可能なかぎり簡潔、明確に表現しなければなりません。また、「メモ1枚にひとつのアイデア」に制限することは、あとでアイデアを自由に組み合わせるための前提条件でもあります。
デジタル版では、画面に収まってスクロールしないぐらいの量がひとつの目安になるでしょう。
すべての仕事や研究について「何が興味深いのか」を問い、読むものすべてについて「重要な点は何か、メモに書き留める必要はあるか」を問うようにすれば、自分の関心のみによって情報を選ぶことはなくなります。 遭遇する情報を自分の言葉で説明することで、これまで知らなかった面を発見し、その過程でまた新しい興味関心を発展させられるようになります。
ツェッテルカステンは、ひとつのプロジェクトをやり遂げるためにも十分に有用ですが、真の強みは複数のプロジェクトに同時に取り組むようになったときに発揮されます。
✏ 読書と執筆のプロセスからは、意図しない副産物がたくさん生まれる。創作活動などで行き詰まったときに、別のプロジェクトとして切り替えても構わない。